元より文章を書くのは上手くないが、文章を正しく読まないと、文章を正しく書かないとという気持ちに囚われていた頃の文章を読み返すと、好きでない癖が付いていた。両者ともに過去の文章を修正してみると、文章を書くことが上手くなっていた。
文章を書くのが上手くなった理由は、文章の組み立てが上手くいかないときや、文章を読み返すときに、脳内で音声を再生して文章を確認するようになったからだ。
脳内で音声を再生するようになったきっかけは、私がトーク用の音声合成技術に触れたからだろう。
音声合成技術を使って、私が書いた文章を再生してみるようになってから、句読点の使い方や文章構成への理解が深まった。私が書いた文章は、最終的に音声ファイルに書き出し、就寝前、掃除中、長時間の移動中に確認がてら聴いた。文章の繋がりが特に気になるところがあれば修正箇所を書き留め、文章を修正したあとにはもう一度音声ファイルに書き出し、確認することを繰り返した。
私は文章を国語的に理解する方から入るのは苦手だが、音から理解しようとすると飲み込みが早かった。何か苦手なことがあったとしても、苦手なことは得意なことを成長させるきっかけを生んで、私自身の強みにしてくれることを強く感じた。
脳内で音声を再生しながら文章を書くと、以前よりも他人に読ませる文章を書けるようになった。ちなみにこの記事も、脳内で音声を再生しながら執筆している。
今後は音を意識して、文章を書こう。
ただし、文章を書いて気を休めるときや、気持ちを吐き出すときには、脳内で音声を再生させずに書くつもりだ。正しい文章を書くのがよいと囚われすぎないよう、環境ごとに合わせて文章を書こう。時折意識を遠ざけながら文章を確認しよう。
悪文にも悪文の良さやあるし、悪文から「好き」を見つけることもある。過去の文章の修正中に、私自身の癖で生まれた好きな悪文を見つけたとき、少しだけ心が躍った。
心躍る悪文を活かしながら文章を書き直せるようになったことも、たまらないほど嬉しかった。